iDeCo（イデコ）や企業型DCをコツコツ続けて、気がつけばいよいよ60歳。
「積み立てたお金って、どうやって受け取るの？」
「一気にもらうの？それとも年金みたいに毎月？」
…そんな疑問を持つ方は多いはずです。
せっかく長年かけて積み立てたお金ですから、受け取り方も大切に考えたいところです。
今回は、60歳以降にどんな受け取り方法があるのか、それぞれのメリット・デメリット、そして「自分に合った選び方」について、やさしくわかりやすくご紹介します！
受け取り方は3つから選べます
iDeCoや企業型DCでは、積み立てたお金を60歳以降に次の3つの方法から選んで受け取ることができます。
| 受け取り方 | 内容 |
| 一時金 | 一括でもらう（ドンとまとめて） |
| 年金 | 数年に分けて定期的にもらう（毎年など） |
| 併用 | 一部を一括で、残りを年金形式で |
それぞれに特徴があるので、ライフスタイルや必要なお金の時期に合わせて選ぶことが大切です。
１．一時金で受け取る：ドンともらって一気に使いたい人向け
一時金とは、積み立てたお金をまとめて一括で受け取る方法です。
◎ メリット
大きなお金が一度にもらえるので、住宅ローンの返済やリフォーム、旅行などに使いやすい
「退職金」と一緒にまとめて考えやすい
▲ デメリット
退職金や他の一時金と重なると、税金が高くなる可能性がある
ポイント：「退職金と同じ年に受け取ると、税金の控除枠が小さくなる」ため、退職から数年後に受け取る方がおトクになる場合もあります。
２． 年金形式で受け取る：少しずつコツコツ使いたい人向け
年金方式は、数年に分けて毎年または毎月のように受け取る方法です。
「会社の退職金は一括でもらったけど、老後資金はゆっくり使いたい」という方に向いています。
◎ メリット
生活費として定期的に受け取れるので、計画的に使いやすい
税金面での優遇（雑所得の「公的年金等控除」）を活用できる
▲ デメリット
少しずつ受け取るため、「まとまった資金」が必要なときには不便
年金として受け取れる期間が会社や制度ごとに決まっている（例：5年・10年など）
年金形式の税金は「雑所得」として扱われますが、年金控除が適用されるため、多くの場合は税金を抑えられます。
３． 併用型：いいとこ取りをしたい人に
一時金と年金を組み合わせて受け取る方法です。
たとえば：
最初に200万円を一時金で受け取り
残りの500万円は年金形式で5年間に分けて受け取る
など、自分のライフプランに合わせてカスタマイズできます。
◎ メリット
最初に必要な分だけまとめて確保できる
残りは計画的に使える
▲ デメリット
受け取り方が複雑になり、税金の計算もやや難しくなる
「税金の負担が大きくならないように分けて受け取りたい」という人には最適な方法です。
【重要】受け取り方で「手取り額」が変わる？
実は、受け取り方によって、最終的に自分の手元に残るお金（手取り額）が変わることもあります。
なぜなら、それぞれの方法に違う種類の税金がかかるからです。
| 方法 | 税の種類 | 控除（減税）内容 |
| 一時金 | 退職所得控除 | 勤続年数などに応じて非課税枠が大きい |
| 年金 | 公的年金等控除 | 年間収入に応じて非課税になる額が変わる |
| 併用 | 両方 | 計画次第で効率的に控除を使える |
そのため、退職時期・他の退職金・老後の収入状況などをふまえて、
「自分の場合は、どの受け取り方が一番トクか？」
を事前にシミュレーションしておくのが大切です。
税金の計算が不安な方は、勤務先の人事部や金融機関、税理士に相談するのもおすすめです。
こんなとき、どれを選ぶ？
| ライフプランの考え方 | 向いている受け取り方 |
| 定年後すぐにまとまったお金が必要 | 一時金または併用 |
| 退職金があるため、iDeCoは数年後に受け取りたい | 一時金（退職から2年後など） |
| 年金の足しにしたい | 年金形式 |
| 資産の一部は自由に、残りは計画的に使いたい | 併用型 |
よくある質問（Q&A）
Q：60歳になったら自動で受け取れますか？
A：いいえ、自分で「受け取り開始の手続き」をする必要があります。書類提出や受け取り方法の選択が必要です。
Q：受け取り時に手数料はかかりますか？
A：金融機関や制度により異なりますが、口座維持費や振込手数料が発生することがあります。あらかじめ確認しておくと安心です。
Q：受け取り方法は途中で変更できますか？
A：原則として、いったん決めたら変更は難しいため、最初の選択がとても重要です。
まとめ｜「どう受け取るか」で老後の安心感が変わります
iDeCoや企業型DCは、積み立てることも大事ですが、どう受け取るかで手取り額も安心感も大きく変わってきます。
一括でパッと使うか
少しずつコツコツ受け取るか
自分らしい「いいとこ取り」を選ぶか
正解はありません。
でも、あなたのライフプランに合った受け取り方を選ぶことが、未来の安心につながります。
ぜひ、60歳を前に「自分だったらどれがいいかな？」と考えてみてくださいね。
次回は、雪だるま式にお金が増える？魔法の『複利効果』を知ろう」
投資の世界ではよく「複利は魔法」と言われます。
なぜコツコツ積み立てるだけで将来大きなお金になるの？
次回はそのふしぎな増え方をわかりやすくご紹介します！